こぼれた恋心2 ー2人のそれからー

「じゃあ、私もう行くね」
美空はベンチから立ち上がる。


「また帰ってくるか?」
咄嗟(とっさ)に出た言葉がこれだった。
美空は目を丸くして、オレを見下ろしこう言った。


「ううん、もうここには帰らない」




キッパリとした声だった。
生まれ育った街なのに、そんなにあっさりと言ってしまうんだ?
いや、街のことじゃないのかもしれない。
ふとそう思うと今度は、オレに当てた言葉のように思えてきた。


その瞬間、「捨てられた」と思った。
美空は、オレを捨てるんだ。


「美空、オレ……」
ベンチから立ち上がり、美空に謝ろうとした。
でも美空はにっこり笑って、
「もう行かなくちゃ」
と歩き出した。