こぼれた恋心2 ー2人のそれからー

「帰ってきたんだな」
オレの言葉に美空はうなずき、
「もう帰るけどね、東京に」
と言って再びポスターを眺めた。


「ここに、このポスターがあると思って見にきたの」
「そっか」


「良いイラストだよな」と言いたかったのに、声に出せなかった。


「龍生くん」
「何?」
美空はポスターを見つめたまま、しばらく黙った。
オレも黙って美空の言葉の続きを待つ。


「私、結婚するの」
美空は消えそうなくらい、小さな声でそう言った。
「うん」
オレはうなずき、ホームに設置されているベンチに座った。
それを見て美空もベンチに座る。
すぐ隣には座らず、離れたところに座った美空に、オレはほんの少しショックを受けた。