こぼれた恋心2 ー2人のそれからー

「……お前、怖いって」
「そうですか?私、怖いですか?」
後輩はまだニコニコ笑っている。
「お前にこんなことされなくても、オレはどん底まで元気失くしてるよ」
「恨んでます、私。美空のかわりに、ずっと許さない」
後輩はそう言って、オレから1歩離れた。


「あー、すっきりした!ずっと先パイにこのこと言いたかったのに、いつもお酒飲んでる時しか会わないから、ずっと言えなくて!酔ってる時に言っても意味ないし!!あ~、ほんっとすっきり!!」

ケラケラ笑って後輩は、
「じゃ、先パイ!またごはんの時に!」
と言って本屋から出て行った。
「行かないからな!マジで!!」
遠ざかる背中に叫んでも、後輩には聞こえていないのか振り向くことなく歩いて行く。