私も、自然と笑みがこぼれる。



「けど、朝からマジでビビッた……」

「ふふっ。私も、拓ちゃんがこの学校に通ってるなんて知らなかった……!」

「俺、小等部からここだぞ?」



 え? そうだったの……!

 家が近所だったから、私立に通っているのは知っていたけど、詳しく聞いたことはなかった。

 そういえば、さっき海くんが言ってた問題児って……。

 ……いやいや、拓ちゃんのわけないよね。

 だって拓ちゃんはとっても優しいし、いつも笑顔で接してくれる。

 きっと別の人のことだろう……うん、そうに違いないっ。



「……それで、その格好は? 由姫、目悪かったっけ?」



 あっ……。拓ちゃんの質問に、苦笑いを浮かべた。

 そうだよね、気になるよねっ……。

 屋上だし、私たちしかいないから大丈夫だろうと、メガネとウィッグを取った。