それに、気のせいか……いや、気のせいとは思えないほど、ふたりの声色が優しい。 今までは話す言葉にいつも棘があったのに……今日はさっきからなんていうのか……あ、甘い。 「……は?」 「えっと、どうしたふたりとも」 拓ちゃんと海くんもふたりの違和感に気づいたのか、顔が引きつっていた。 「はー、何が?」 「別にどうもしてないけど」 ふたりに対してはいつもどおりの声色というか、棘のある言い方で返事をした弥生くんと華生くん。 ますます訳がわからず、頭上にいくつものはてなマークが並んだ。