今の幹部が卒業したあと……fatalトップになれるように、どうしても下クラスに落ちるわけにはいかない。

 この学園では、族の頭や幹部クラスは全員Sに入っている。

 条件というわけではないが、暗黙の了解だった。

 今の3年は、スリートップがnobleだ。

 総長の春季さんは最初の頃は2位だったものの、今は6位まで落ちている。

 俺たちはfatalに入っているからと言って、春季さんに憧れているわけじゃない。

 むしろ、逆だ。

 サラっていう、最高の女がいながら……。今や総長の風上にも置けないあの人の姿に、苛立っていた。

 あの人がいなくなったら……俺たちがfatalを変えるんだ。

 今の“ダラケきった”fatalは、全然かっこよくない。

 話がそれたが、俺たちはなんとしてでも、上位を維持しなければいけない。



「もし編入生が来たら、お前たち2軍落ちかもな。頑張って負けないようにな」



 海の言葉に、腹が立って舌打ちをした。