考えた末、私は自分の家に会長さんを運ぶことにした。

 勝手に会長さんの家に入るわけにはいかないし、助けを呼ぶわけにもいかない……なら、いったん私の部屋で看病をして、舜先輩が帰ってきたら保健室へ連絡してもらおう。

 その場にしゃがみ込み、会長さんの肩を持ち上げる。



「……すみません、ちょっと移動しますね……!」



 意識が朦朧としているのか、返事はなかった。

 ただ、苦しそうな息づかいが聞こえるだけ。

 ううっ、重いっ……。

 必死に持ち上げようとするも、まったく上がらない。

 申し訳ないと思いながら、引きずるようにしてなんとかベッドに運んだ、




 はあっ……は、運べた……!

 一仕事を終え、ふぅ……と息を吐く。

 って、早く看病を……!

 ひとまずできることをしようと、必要なものを用意する。