それにマカロンって、何だかぐにゃぐにゃしてて湿気ったお菓子みたいなイメージ。初めて食べたマカロンがそうだったからかな…。

中島さんが隣の席からまだ私の姿を見ているので、その場でマカロンを口にした。

「あっ、ぐにゃってしてない!」

以前食べたマカロンと違い、外側はパリッとしていて、クリームはバニラビーンズが入って濃厚な味。美味しい…かも!

私の口には二口で食べ終わってしまったマカロンだったが、甘い物を食べた満足感で心が満たされていた。

「美味しかったです、ごちそうさまです」

「でしょー!ここのお店のマカロンは美味しいって評判なんですよ」

ニコニコしながら私を見る中島さんは無邪気な男子高校生みたいに見えた。

「鈴木さんはどんなスイーツが好き?」

「えっとぉ…生クリーム中毒なのでケーキとか、シフォンとか大好きですよ」

「そっかぁ。新しく出来たカフェがケーキバイキング始めたんだって。今度行か…な…いてっ、」

二人で女子トークをして花開かせていたようだったが、今は仕事中だった。気付かない内に私達の背後には冷ややかな目をした部長が立っていた。仕事中だと言う事を気付かせるかのように上司にファイルで頭を叩かれた中島さんも我に返ったようだ。

「中島、鈴木、お前らはそんなに仲が良いのを見せつけたいなら、忘年会の幹事でもやりなさい!」

「「えぇー!?」」