「えっ……?」


「だって、人を脅すような言葉を平気で言えるんだよ?そんなやつ、精神おかしいよ」


恐怖と嫌悪が入り混じった表情を浮かべ、体を小刻みに震わせる棗。


棗の気持ちはわからなくもない。


たしかに『死ぬ』という言葉を、見ず知らずの相手に言うなんて、どうかしてる。


なぜ、そんな言葉がサラッと出てくるのか。


それが怖い。


そう思ったそのとき、私と棗の会話に加わらなかった響子が「はっ」と鼻で笑った。


「バッカみたい」


バカみたい?


どういうこと?