その気持ちをおくびにも出さないのは、もちろん、響子と棗を裏切らないため。


なにか思っていても、しゃべってはいけない。


言われなくてもわかっていることなので、ふたりは私に、込谷さんのことで注意したりしない。


「うわぁ〜……負のオーラが出まくりなんだけど。近寄りたくないわ〜」


口を手でふさぎ、まるで不審者を見るかのような目で込谷さんを見る響子。


棗も、響子と同じような顔をする。


「同感。なんで、あんな根暗キャラが同じクラスなわけ?意味わかんねぇ〜」


ふたりとも……。