「古瀬さん…りちかって誰?」

ルチアはまた不思議そうに私を見た。
この女、元クラスメイトの事も平気で忘れるんだ…案外性格良くないのかもね。

「11月に私が屋上から突き落とした私の隣の席だった華南理誓|《カナンリチカ》よ。もう忘れたの?リチカを殺した時、偶然アンタが屋上の出入り口に立ってて口止めしたでしょ?」

「口止め…」

やっと思い出したか。一瞬そう思ったが、次にルチアの口から出たのは予想外の台詞だった。

「あのさ…凄く言いにくいんだけど…古瀬さんの隣の席、元々誰もいないんだよ?それに、私が屋上で古瀬さん見た時…古瀬さん、1人で暴れてた…」

「…は…?」

この女…何言ってんの…?
リチカが…元々いない?

「だから…あの時屋上で古瀬さんが人殺したなんてことは無いと思うよ。古瀬さん、あんまり変なこと考えない方が…」

グサッ