もうそばにいるのはやめました。



わたしとハルくんはすくすく成長していった。


どこへ行くのも、なにをするのも一緒。

ナツくんともよく遊んだ。


昔のアルバムには3人の写真がなん枚も保管されている。



小学校高学年になるころにはわたしとハルくんは身長が同じになり、ハルくんが中学生に上がるとまたたく間に追い抜かれた。


小さかった執事は、たやすくわたしを守れるくらい、大きくなっていた。



『寝坊した~~!!』

『すぐ髪セットします!』

『間に合う!?』

『楽勝っす』



ピンチのときはいつもハルくんが助けてくれた。


どれだけ髪に寝ぐせがついていても関係なしに、一瞬でサラサラストレートにしてくれる。



『このドレスどうかな?』

『姫はイエベなんすよ?』

『い、イエベ……?』

『その青みピンクのドレスより、こっちのコーラルピンクのドレスのほうが合ってるっす!』

『……そんな専門知識、いつ覚えたの』



勉強熱心で、仕事の合間に努力していた。


寝る間も惜しんで頑張ってたこと、ちゃんと知ってるよ。



『誕生日おめでとう、ハルくん!』

『姫!ありがとうございます!』

『はいこれ、プレゼント』

『今年はいいって言ったじゃないっすか!』

『わたしがあげたかったの。もらってくれるよね?』



毎日一生懸命なハルくんに、毎年誕生日プレゼントを贈っていた。


『いらないっす!気持ちだけで十分っす!』

ってきょうしゅくされたけど、無視。