「体調はすこぶるいいっすよ」
「じ、じゃあ大丈夫じゃないのは……?」
「どちらかというと精神面っすかね」
「精神!?」
精神面ってどうすれば大丈夫になるの!?
寝れば治……らないよね。
「だ、だ、大丈夫なの?」
「だから今大丈夫になったって言ったじゃないっすか。むしろ大丈夫になりにここに来たんすよ?」
「?」
どういう意味?
首をかしげても、ハルくんは目を細めるだけ。
「そ、それなら、生きる意味っていうのは……?」
「え?」
「ナツくんが言ってたの。ハルくんは今生きる意味を見失ってるって」
「あー……それも大丈夫っす!」
下まぶたにたまった涙で、ハルくんの瞳がかがやく。
その瞳の奥まで色が澄み渡る。
「それも今、見つかりました」
「……そっか。ならよかった」
真意は見当もつかないけど、ハルくんが元気ならいいや。
「竜宝さーん」
「!」
「なにし……て……」
クラスメイトの女の子に呼ばれてわれに返る。
やばい!完全に仕事をド忘れてた!
「……えーっと……彼氏さん?」
「ち、ちがうちがう!」
「……彼氏、って……」
否定と重ねて
うしろから低音が落っこちた。



