名前を呼んで、好きって言って


その笑顔が直視できなくて、私は視線を逸らした。


そこでは同じように笑っている秋保がいた。


「よかったですね、柊斗さん、紅羽さん」
「……ありがとう、秋保」


秋保のおかげで長年すれ違っていたものを正すことができた。
これは感謝してもしきれない。


「柊斗、紅羽が好きだったんだな。言ってくれればよかったのに」
「翔和に言ってもいいことなさそう」
「お前結構言うな……でもお前らが付き合うことになったって知ったら、翠はどうするんだろうな」
「……きっと俺を軽蔑するかのごとく見てくると思う」


男子組はそんなことを言って笑っている。


「ちょっとどうします、瑠衣さん」
「本当ね。どうしましょう、美桜さん」


あのコンビはまた何かコントのようなものを始めていた。


「これでフリーなのは私たちだけですって」
「大丈夫よ、あの紅羽に彼氏ができたんですもの。私たちだってすぐよ」
「……お前ら、私を何だと思っているんだ」


二人は顔を見合わせ、また私を見た。


「女男」
「あれ、それって逆じゃなかったっけ」


この際どっちがどっちでもいい。
二人が私のことをそういう風に見ているということはよくわかった。


「私は女だよ」


そして二人をくすぐりにかかった。


ある日の休日。
とある家の中は楽しい笑い声であふれていた。