名前を呼んで、好きって言って


やっぱり美桜は引かなかった。
どうしても私が危険な目に遭うのは嫌らしい。


でも、面倒だとは思わなかった。


もし逆の立場だったら、私だってしつこく止めたと思う。


だとしても、これだけは。
翔和君と一緒にいることだけは、譲れない。


「お願い、美桜。少しだけ、翔和君を信じてください」
「今回は無様にもボコボコにされているが、翔和は本来かなり強いんだ。妹の好きな人をもう少し信用してやれ」


紅羽さんも美桜を説得してくれるけど、ちょっと待って。
今、なんて言った……?


私は翔和君を盗み見る。


確実に聞いていたらしい。
顔が赤くなっている。


「紅羽さん、まだ私が言ってないことを言わないでくださいよ」
「なんだ。まだ告白していなかったのか。すまない」


悪気がないことがわかるから、怒るにも怒れない。


「秋保、今の本当? 俺が好きって……」


これはどう頑張っても誤魔化せない。


私は翔和君のほうを向く。


「……うん。私は、翔和君が好きだよ」


すると、翔和君は大怪我をしているというのに、ベッドから降りて私を抱きしめた。


「嬉しい。めちゃくちゃ大事にする」


翔和君の力は強かったけど、痛みよりも喜びが勝った。