君がいればそれだけで。

「疲れてないか?」

「大丈夫。鬼さんの名前は?」

「シオラだ。お前の名前は?」

「クヲラ。本物の鬼って感じしないね」

「やっぱり?全然?」

「うん。全然」

少年、クヲラの笑顔をやっと見れた。そっか、クヲラだから王女はクーちゃんと呼んでいたのか。単純だな。でも、その単純さに救われたんだよな。