1日だけ、キミの彼女。

「あ、あのっ……璃久くんっ」


「ん?」


「さ、さっきはごめんなさいっ! 私ったら、ビックリしてつい、その、抱きついちゃったりして……」


いくら今は恋人のフリをしているとはいえ、あんなの迷惑だったに決まってる。


だけど加賀見くんはそんなのまったく気にしていないのか、クスッと笑って。


「べつに謝ることないだろ。 彼女なんだから」


「えっ……」


そして、私の頭に手を乗せると、撫でるようにポンポンと叩きながら、優しく微笑んだ。


「結奈、頑張った。えらいえらい」


その瞬間心臓がドキンと音を立てる。


思わず顔がかぁっと熱くなって、赤くなった顔を隠すかのように下を向く私。


ねぇ、なんでそんなに優しいのかな。


これも彼氏のフリだから?


さっきから加賀見くんがあまりにも優しくて甘いから、ドキドキしすぎちゃって大変だよ。


なんだかまるで、本物の彼氏みたい……。