1日だけ、キミの彼女。

机に座ってうつむいたまま、大きくため息をつく。


すると、そんな時、すぐ横から誰かに声をかけられた。


「白石さん」


その声にドキッとして顔を上げると、そこに立っていたのはなんと、隣の席の加賀見くんで。


カバンを肩にかけたまま、心配そうな表情で私のことを見下ろしている。


てっきりみんな帰ったのかと思ってたけど、彼はまだ残ってたんだ。


「なんか、顔色悪いけど大丈夫?」


そう聞かれて、悩んでいたのが思いきり顔に出てしまっていたんだと思い、ハッとした。


「えっ……。そ、そうかな。別に大丈夫だよっ」


「ほんとに? 無理してるようにしか見えないけど。もしなにか困ってるんだったら、言ってみなよ。力になれるかもしれないし」


そう言って私の顔をじっと覗き込んでくる彼。


それにしても、なんて優しいんだろう。こんなふうに心配してくれるなんて。


やっぱり加賀見くんは、すごくいい人なのかもしれない。


そう思った途端、頭の中にあきらめかけていたあの彼氏のフリの件が浮かぶ。


ねぇ、もしかしてこれは、チャンスだったりするのかな。


このタイミングで彼に話しかけてもらえるなんて、偶然にもほどがあるような気がするし。


幸い今教室には、私と彼しかいない。


こうなったらもう、勢いで……。