自宅を出ると登校中の学生達を
毎日のように見かける。


屈託のない笑顔で明るく挨拶をしてくる
小学生を見ているとどうして朝から
元気でいられるのだろうと
いつも疑問に思う。


私はぼそぼそと小声で挨拶を返し
足早に急いでるフリをする。


こんな時、きっと春乃は明るく接して
世間話が花開き仲良くなるのだろう。


私には到底無理な話だ。


春乃の学生時代の話は聞いた事は
ないが、誰とも分け隔てなく接し
クラスの人気者だった姿が想像できる。


殆ど誰とも話さずに本ばかり読み、
授業が終わればすぐ母の待つ家へ
走って帰っていた日々を思い出す。


いつのまにか、すぐ目の前に
職場であるカフェMarieが見えていた。