息絶えた彼の顔に、最期の穏やかな 微笑みが重なると、ふつふつと 怒りが込み上げてくる。 長い間、私はこんなにも苦しんだのに どうして彼は笑って死んだのか。 復讐は成し遂げた。 でもどこか煮え切らない気持ちがあった。 彼は死んだ。 あの男の、一番大切なものを 奪うことができた。 母も、天国で喜んでいるに違いない。 「お母さん。やっと……、 やっと無念を晴らすことができたよ」 天を仰ぎ、笑顔で母に告げる。 返事はなくても、心の中は 達成感で満たされていった。