アタシは声をあげて涙を流す。 だけど、陸斗はアタシを胸から外し、アタシの顔をのぞき込んだ。 その瞬間…アタシは目を見開いた。 だって…陸斗の右目からは涙が流れていたんだから。 「陸斗…なんで泣いて…」 アタシが言った言葉も消えてしまいそうなくらい小さい。 陸斗はアタシの声を遮ると服の袖で涙を荒っぽく拭き取った。