【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?



狭い準備室の奥にある先生用の机。

その椅子に腰掛けていた八雲先生が立ち上がった。



「ここに座って?」


八雲先生は微笑を浮かべたまま椅子を指さした。


……あれ、他の人達はまだ来てないのかな?


戸惑いながらも言われた通りに座ると、長テーブルにはなんにも用意されておらず、さらに拍子抜け。



「あの……八雲先生。もしかして、お手伝いは私だけなんですか……?」


「そう。今日は、雨野だけ」


今日は……。

私の向かいに座ると八雲先生と目が合った。


私、だけって。

どうしよう、これはマズい。


昨日の夜、八雲先生を警戒していると言っていた葵くんとの会話が蘇った。


……にも関わらず、早速ふたりきりだなんて。