「引き受けてくれてありがとう」
「いえ……」
開口一番、八雲先生にお礼を言われ、ぺこりと頭を下げる。
……わわっ。
近くで見ると海ちゃんの言うように本当に美形だということがわかる。
上手く言えないけれど、一気に緊張する。
「目が合ったからつい、ね?」
「……えと、私は八雲先生のことを決してガン見していたわけではなくて」
身振り手振りで必死にうったえると……
「違う。逆だよ?」
「え?」
……逆、とは?
泳がせていた視線を上げて八雲先生を見る。
「俺が、雨野のこと見てたから目が合ったんだよ?」
フッと息を吐くと八雲先生は瞳を細くした。
八雲先生が、私を……?
「じゃあ明日の放課後、国語準備室で待ってる」
理解する間もなく八雲先生は廊下をあとにした。
……なんか、今の言い方は、引っかかる気もしたけど。
でも、きっと私の気にしすぎかもしれない。



