【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?



「目が合ったから雨野に決めた」



いいよね?と、甘い笑顔を浮かべて八雲先生が確認してくる。


殺気を放つ女子の視線が痛い……。

すみません……選ばれたのが私で。



到底断ることは出来ずに頷いたのだった。



「雨野さんズルくない?八雲先生のことガン見したんじゃないの!?」


「ほーーん。そういう奥の手を使ったと?」



あの、しっかり聞こえてますよ……?


休み時間になってすぐ投げられるブーイングの声。



「ズルいよ、空!わたしだってね、近くで八雲先生の顔面観察したかったのに!」



イケメン好きの海ちゃんまでこの通りだ。


そもそも私は、八雲先生に恋心を抱いたりなんてことはないわけで……



「雨野。ちょっと」


「……はいっ」



ビックリした。


授業が終わってすぐ八雲先生が声をかけてきたから、いそいそと廊下へ移動する。