「ふーん。だといいけど?」



な、なに?


このアラームの数じゃ証拠不十分ってこと……!?



「……起きるよ!じゃあ、おやすみなさい!」



涼しげな笑みから逃げるように、私は境界線であるふすまを閉めて布団に潜った。



「………」



ね、眠れない。


しばらくすると葵くんの部屋であるリビングの電気が消えた。


当たり前だけど真っ暗だ……。


途端にさっきの手紙やバレッタのことが頭に浮かんできてなかなか消えてくれない。


私はちっとも寝付けなくて、もそもそと何度も寝返りを繰り返していた。



「雨野?」



不意に隣の部屋から投げられた葵くんの声。



「……あ。もしかして、起こしちゃったかな?」


「いや?むしろ起きてた」


「そうなんだ……」



葵くんの場合は前ほどではないけれど、授業中もやっぱりおやすみモードの時だってある。


そのせいか、夜は眠れないのかな……?