「な、ないよ……!なにもない……こんなことをされるような覚えなんて……っ」 罪だと言われるようなことは何ひとつない。 動揺を悟られないようになんとか言葉を手繰り寄せて紡いだけど、どこか不自然だったかもしれない。 本当は、8年前の大雨の日、その事件のことが頭を過ぎったから。 「雨野って、時々そういう顔するよな」 「えっ?」 ……そういう顔? って、言われても。 「クラスの自己紹介の時もそうだったろ?」 それは、先月のこと……。 入学してすぐの頃、ホームルームで自己紹介が行われた。