────そんなある日。 午後9時を過ぎた夜、事件は起きた。 「葵くん、お風呂なんだけど……」 夜……私は葵くんのテリトリーであるリビングに顔を出した。 先に入る?後にする? と、一応、同居人への配慮を忘れちゃいけないと思い聞こうとした矢先。 「なに。一緒に入ってほしいの?」 は、はい……? くるっと振り返った葵くんの発言に、私は言葉を失った。