授業中も海ちゃんの言っていたことがぐるぐる頭の中を巡っていた。
恋……だなんて。
いくら一つ屋根の下に一緒に住んだからとはいえ、まさか。
朝、あんな形であっても私を起こしてくれた葵くんの顔がポンッと出てくる。
まつ毛長かったなぁ……。
……って、なにいってんだ私は……。
海ちゃんが変なことを言うから授業に集中出来ないじゃん……。
親指の第一関節まで余裕だろうと思うくらいの鼻デカを持つ、数学の梅澤(うめざわ)先生に怒られたらたまったもんじゃない。
学年主任だけあって貫禄だって半端ない……。
「雨野」
「っ、」
突然、後ろの席から聞こえてきた声に私は肩をビクッとさせる。
まさか、国語の時間でもないのに葵くんが起きてる!?



