思い返せば、私を決定的に痛めつけることも、手にかけることだってきっといつでも出来たはずだ。
例えば準備室に私を呼び出した時。
朝、下駄箱で会った時も。
それが体育祭の途中だったとしても。
きっと、いつでも行動に移すことは出来たと思う。
八雲先生は、憎しみに支配されそうになった心と戦っていたんじゃないかな……。
だから、八雲先生がいつか、心から笑える日が来るといいなと思う。
「それにね、葵くんとお父さんが出逢っていたことも、最初から意味のあることだったんだなって思うんだよね……」
人と人との繋がりは、どんなことにだって必ず意味があるよね。
「子供の頃から気にかけてくれて。雨野のお母さんも一緒に、俺ん家によく顔出しに来てくれてたからな」
「そうだったんだね」
本当に、お父さんらしいね……。
「だから、今度は俺が力になりたかった」
「え?」



