【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?




葵くんはなんだか見透かしたような顔をして、私へと近寄ってくる。


───グイッ



「……っ、な、なにすんの!?」



突然、私の顎をつまんで自分の方へと向かせる。



「ホントは怖いんでしょ?犯人」


「こ、怖くなんか……っ」



言いながら、葵くんの顔が近すぎて、私は直視出来ずに目を逸らしてしまった。



「素直になんなよ?いくらでも守ってあげるから」



「っ、」



顔を傾けて自信をたっぷり含んだ言い方に、私は反論なんて出来るわけなくて……。



「わかった?」


「……わかったから、は……離して」



こんなところ誰かに見られたらどうするの……!


そんな私の訴えが伝わったのか、ぱっと解放された。


……だけど、



「じゃあこっち」


「なっ……!?」



そう言って葵くんはクスッと笑うと、私の手を繋いで歩き出した。