体育祭から一週間が経った。


あれからお母さんは最初の約束通り、マンションへと帰ってきてくれた。



「あら、やだ!こんなに洗濯物が溜まってるじゃないの!」



ときどき小言がうるさいなぁって思うこともあるけれど、お母さんが家にいてくれるってやっぱり嬉しい。



葵くんの物がなにひとつなくなったリビングがやけに広く感じるせいか、やっぱりふとした瞬間に寂しさに襲われる。



……学校に行ったら会えるのにね。



「空ってば、トイレ掃除もしてないわね!?この汚れは頑固でなかなか落ちないんだからー!もう!」


「ごめんなさーい!」



私は怒られてるのに、元気よく声を出す。


安心する。


お母さんの顔を見るだけでなんだか元気をもらえる。