「……どうしたのよ、空?やっぱりお母さんがいなくて寂しい?」



まだまだ子供ねぇ、とお母さんが笑った。



「お母さんがいないと寂しいし、洗濯物も溜まっちゃって……」


「あら、珍しく可愛いこと言うのね。どうしたの?」



お母さんの顔を見て安心するとやっぱり泣きそうになる私は、まだまた子供なのかもしれない。



「お母さん……葵くんのこと、ずっと前から知ってたんだよね?」


「ええ。昔色々あってね……」


「葵くんも言ってた。お父さんに助けてもらったって」



お母さんは目を丸くして静かに頷いた。