【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?



「お父さんの具合どう?」


「もう大丈夫よ。心配しないで。リハビリも進んでやっているし、来週には退院出来そうだから」


「……よかった。今度、電話してみるよ!」



元気になったお父さんの声が聞きたいから。



「家をあけておいて言うのもなんだけれど、空や葵くんは大丈夫……?」



不安げな瞳で私と葵くんを交互に見る。



「……あ。そのことなんだけど」



私は学校の体育倉庫で起きたことも話そうと思った。



……けれど、



「栄一さんから聞いてると思うんですが、これは俺自身の問題でもあります」



葵くんの……?


どういうことなのか全くわからない。


そんな私に葵くんは視線を向ける。



「俺が雨野のことを最後まで守ります。絶対に。だから、あと少し……俺を信用してほしいです」



葵くんは意思を込めた声でそう言うと、お母さんを真っ直ぐに見つめた。