【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?



【 あ と 3 日 】


それだけが綴られた、今までとは違う手紙の内容だった。


あと、3日……?



「練習から戻ってきた時はなかったのに……」



それは放課後、私が見つけるとわかって靴の下に滑り込ませてあったのだろう。



「見せて」


「お、おい……っ、なんでまた!体育倉庫のことといい、誰なんだよ!」



葵くんが取った手紙を睨むと、苛立ちを露にする風谷くんの声が響いた。


ここ最近は私も日常についていくのに必死で。


不審なことは起きていなかったことにどこかで安堵していた。



「3日後は体育祭だ」


「……」



だけど、そうじゃなかった。


悪意は消えてなんかいなかった。



「どうして、まだこんなもの……今頃になって、どうしてこんなことするの……っ」



悔しくて、悲しくて、拳を握った。



「きっと、待ってたんだろ」


「え?」



葵くんの言葉に私のか細い声が零れ落ちた。


そして、葵くんは言った。



「────今の雨野を、犯人はきっとずっと待ってたんだよ」