【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?



自分の受け持つクラスへと戻っていく八雲先生を呆然と見ていたら、


「なに八雲なんか見てんの?」


「な……っ」



今のはただ体育倉庫の件を気にかけてくれていたからで……と、言い訳していると、



「やっぱり雨野もああいうのがいいわけ?」


「ち、違うよ……っ、私は八雲先生じゃなくて……」



そこまで言いかけてハッと我に返る。


私、今なんて言おうとしたの……?


恐る恐る隣に立つ葵くんに視線をスライドさせると、



「浮気者。雪永がいるくせに」



フッ、と息を吐くと意地悪に笑ってみせた。



「浮気者!?だから……っ、アレは女子の友情っていうか……」



浮気者だなんて言い方をされて、否認しようと私は葵くんに詰め寄る。