私は葵くんと八雲先生の間に立ってふたりを交互に見る。
「そうだね。わがままかな?」
……と、首をかしげて葵くんに問いかける。
本気か冗談かわからない曖昧な言い方。
「俺が予約してるから先生は遠慮してくれない?」
「あはは。冗談だよ。だからそんなムキにならないで、葵くん」
大人の余裕みたいなものを放ち八雲先生は葵くんを見下ろしている。
「ムキになるよ?」
「え?」
だけど、そんな八雲先生とは裏腹に葵くんはいつになく真剣な眼差しをみせる。
「コイツのことなら、俺は全部本気になるってこと」
迷うことなく発した葵くんの言葉に、私は息をのんだ。
瞬く間に頬が熱を持つ。
きっと、今の私の顔は真っ赤になっていると思う。



