【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?



* * *


「中学に入ってからは、事件のことを口にする人は減っていって……」



同じ小学校出身の人からは好き勝手に噂を流されたり、学校に来るなと責められることもあったけれど。



古い事件の話に飽きたのか、少しずつ口に出す人が減っていき、いつの間にかみんなの話題からも世間からも忘れられつつあった。



「───もう誰も、お父さんを傷つけないでほしい」



葵くんは私が全て話し終えるまで、ずっと手を握ってくれていた。



「……っ、あんなに苦しい思いをしたんだよ。なのに、どうしてまた…お父さんが苦しまなきゃいけないの……」



私は、無意識に葵くんの手を力いっぱい握り返していた。