けれど、世間は私が思っているよりも優しくはなかった。
学校の帰り道に向けられる冷ややかな視線。
「雨野の奴、お父さんは警察官とか自慢してたくせに、アイツのお父さんはただの臆病者だったじゃん!」
「や、やめてよ……っ。お父さんは、なにも悪いことしてな……」
「でも、そのせいでひとりの人が死んだんじゃん!」
「お父さんのせいなんかじゃない……!」
私がいくら声に出してうったえようとも、クラスメイトからの批難の声が止むことはなかった。
冷たい雨は降り続いたままで。
そんなことが毎日起こり、心配した担任の先生から自宅へ連絡があった。
お母さんとお父さんは無理に学校に行くことはないと声をかけてくれたけれど。
「……学校には行く」
絶対、諦めたりなんかしたくなかった。
本当のことを言えば、怖かった。
みんなの悪意が。
それでも、もしここで私が弱い気持ちに負けてしまったら。
“ ほら見ろ、やっぱり臆病者の子供 ”だと言われるだろう。
お父さんを悪者にされるだろう。
だから、私は絶対に逃げたりなんかしない。
どんなに苦しくても、私は学校には行くと誓ったのだ。



