【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?



安堵の息を吐き、お父さんの顔を見上げた。


けれど、なぜだか私に向けるその顔は、悲しそうだった。



「お、お父さん……どうしたの?もしかしてどこか、怪我してるの?」



お父さんの顔はやつれていて、くたびれている。


目は真っ赤だった。

泣き腫らしたような目で私を見る。


途端に私まで泣きそうになって、再びお父さんにギュッとしがみついた。



「昨日、事故が起きてね。お父さん、第一発見者として警察の人達とお話があって。それで夜は、ずっと病院にいたんだ……」



ごめんな、と再びもらし、私を見たお父さんはゆっくりと話し始める。



勤務を終えて帰ろうとした矢先、近くの路上で一台の車が電柱に衝突する事故が起きた。


現場検証の結果からも、前が見えない豪雨の中、早く帰ろうとスピードを出しすぎたことが原因らしい。



「え……っ、お父さん、その事故のニュース今見たよ……!」



それは、先ほどまで私とお母さんが見ていたニュースの内容と全く同じものだった。