6月になり、梅雨入を迎えたある日。
朝から雨が降っていて、その勢いは止まらず、次第に激しさを増していった。
────“記録的な豪雨となっており、外出は控え、早めの帰宅を心がけてください”
流れるテレビでも警戒を呼びかけていた。
「お父さん、大丈夫かな……」
交番から家までの道はそんなに時間はかからない。
「大丈夫よ!お父さんは強いもの!雨になんか負けたりしないわよ!もし、帰ってこれないことになったら、きちんと電話を入れてくれるからね」
お母さんはそう言って笑ってくれたけれど。
窓を叩きつけるような雨音と、真っ黒な空の色に不安は募る一方だった。



