「でもね、空。女の子を守ってくれるのは、男の子なんだよ?男の子はね、いつかみんなヒーローになるんだ」
「ヒーローに……?」
「そうだよ。もっと大きくなったら、きっとわかるかもしれないね」
私の頭を優しく撫でると、お父さんがニッコリ微笑んだ。
お父さんの大きな手が、私は大好きだ。
「雨野さん。おはようございます!」
そこへ、前から歩いてきたひとりの男の人がお父さんに挨拶する。
全身黒い服に身を包み、背が高くて、目の細い男のひと。
「おはようございます。そう言えば、怪我も治ったと聞きました。よかったです」
私は急に怖くなって、なにかを話しているお父さんの後ろに隠れた。



