【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?



「これ、ウチのクラスの雨野さんのこと?」


「しっ!聞こえるって!本人来たよ、ほら……」



騒がしい体育倉庫前。


海ちゃんと私が到着すると集まっていた生徒達の好奇の目が、一斉に私へと集中する。



なんの騒ぎ……?



「どうしたのよ?カラーコーンしまうから道開け───」



グイグイと進んでいった海ちゃんの声がピタリと途切れる。



「海、ちゃん……?」



……嫌な予感が、する。


ドクンドクンと心臓が暴れだす。



海ちゃんを追うように体育倉庫へと踏み入った瞬間───



「……空!見ちゃダメ!」



青ざめた顔をした海ちゃんが大声で叫んだ。



「……なに、これ?」



薄暗い体育倉庫。


差し込む太陽の光に照らされて、壁一面が映し出される。




【 雨 野 空 の 父 親 は 人 を 殺 し た⠀】



────その光景に、私は息の仕方も忘れた。