体育祭の練習中が始まっても身が入らなかった。
グラウンドのあちこちではそれぞれの種目ごとに分かれてみんなが練習している。
ふと、葵くんを探すとすぐに見つけられた。
女子に囲まれてちょっと鬱陶しそうな顔をしているのが見える。
けれど私は風谷くんとの会話がぐるぐる頭の中を巡り続けており、練習どころじゃない。
写真って……風谷くんが、なんのことを言っているのかもわからなかった。
もしも、もしも……と私は考える。
もし、私に今まで以上のなにかが起きたら、葵くんまで危険に晒すことになる。
……そうなることだけは絶対に嫌だ。
送られてくる手紙、血のついたバレッタ、突き刺さる視線。
見えない悪意に怯えて、護ってもらうことばかりに囚われていたらダメなんだ。
だから、大切な人達を傷つけさせない。
私は自分を奮い立たせる。
だけど、忍び寄る影は、確実に私へと迫っていたのだ。



