「雨野?」


「……お、お父さんの言ってた信用できる人って、まさか葵くんのこと?」


「やっと理解した?俺ってことだよ、お前の護衛」



葵くんが私の護衛……?

クラスメイトの彼が。


その言葉がすんなり受け入れられないのも無理はない。



「嘘だ……なんで葵くんが私の護衛なの!?」


「一応、有段者だから」



なんの? レスリング?


葵くんがキャリーケースを持ち上げて短い廊下へ向かうから、混乱状態のままついていくはめになる。