そんな心配が過ぎって慌てて視線を逸らしたけれど、
「ダメ。確認するからこっちおいで?」
「えっ」
「早く」
もたもたしている間に葵くんは体温計を取ってきてひらひらさせる。
「大丈夫だよ……っ、ホントにもう身体も熱くな……、っ!?」
突然、マスクの上からむぎゅっと押し付けられた葵くんの人差し指。
私はその場で固まってパチパチと瞬きを繰り返す。
「俺の言うこときいて?」
葵くんの勝ち誇ったようなその笑みに、頬が熱を帯びていく。
こんなことをされたせいか、朝……マスク越しにキスをされたことが蘇って。
ドキッと鼓動が揺れる……。
「わかった?」
クスッと笑った葵くんに体温計を差し出され、
「は、はい……」
と、私は降参するかのように頷いた。



