「これでもまだ駄々こねるつもり?」
ほんの少し唇を離した葵くんは、至近距離で意地悪に笑ってみせた。
「な、なに、して……っ、」
そんな葵くんをぼやける視界の隅で捉えた瞬間、精一杯の抵抗すらも出来なくなってしまった。
ガクンッと一気に力が抜けていく。
「雨野、いい子にしてよ」
そんな言い方、子供じゃないんだから……!
と、心の中で反論した。
けど、起こしていた身体はすぐにバランスを失っていく。
同時に、葵くんの腕に抱きとめてられる。
「……ゴホッ。お父さんのことを、また傷つけられたら……」
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