「とにかく雨野は心配しなくていいよ。だから薬飲んで寝てくんない?」
「……」
その言葉通り葵くんの手には風邪薬の箱が握られていた。
「聞いてる?」
怪訝な表情を浮かべながら一向に言うことをきかない私の部屋の中へと入ってくる。
大人しく薬を飲んで休むべきだし、葵くんが体調を心配して言ってくれているのもわかってる。
冷たい雨の中、自分のカーディガンまで貸してくれたというのに、熱を出して迷惑をかけてしまっているわけで。
……それでも。
「ごめんなさい……」
「なに謝ってんの?」
「私、学校には行きたい……だって、このままは嫌だから。私だって出来ることがあるかもしれない。お父さんのことを……これ以上、傷つけられて、見てるだけなのは嫌……」



