「あっ……ごめんなさい」 しばらく葵くんの胸を貸してもらっていたことに、慌てて顔を上げる。 「……葵くんっ、濡れちゃってる」 今さら恥ずかしくなって視線を泳がせると、葵くんの肩がびしょ濡れだったことに気づいた。 「こんくらい平気」 そう言って葵くんは私に傘を持たせる。 そして、カバンの中からカーディガンを取り出した。 「ん」 「えっ?な、なにこれ……?」 「見てわかんないの?」 「……わかるけど」