【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?



まるで、私の気持ちを汲んでくれたみたいで。


瞬きをすれば、今にも涙が零れ落ちてしまいそうになる。


繋がれた手が離れたかと思ったら、ゆっくりと私の頭に乗せられる。



「もっと甘えてよ?」



安心させてくれるお日様みたいに温かい声に、その大きな手に……今度こそ、堪えきれずに涙が頬を伝っていった。


すかさず、葵くんは私の涙を指先で拭ってくれる。



どうして、葵くんはなにも聞かないのだろう。


どうして、私の心まで守ってくれるの?



「お前はそうやって泣いていいんだよ。俺の前で、我慢すんな」


「……っ」



葵くんの肩を容赦なく雨が濡らしている。


私が濡れないように傘を傾けてくれているせいだ……。


上手く声に出来なくて、何度も何度も頷いた。