【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?



「俺が預かっておく。もちろんプライバシーはしっかり守るよ。だから雨野は安心していい」


「ありがとうございます。本当に……」



私がお礼を言うと八雲先生が立ち上がった。



「もう今日は帰ろうか」



頷いたと同時、八雲先生が長テーブルに置かれたファイルへと手を伸ばした。


チラリ、と体育祭のプログラムが目に留まる。



「……あ。それプログラムですよね?私、やっぱりお手伝いもして───」


していきます、とファイルに手を伸ばしたけれど。


パシッ、と手を掴まれた。


「あっ……」


心配になるほど体温の低い八雲先生の手に、ピクっと反応すれば、



「ダメだよ?不審なことが起きた今、遅くまで残すわけにはいかないからね」



頭だけを動かして視線を移すと、八雲先生との距離がぐんっと近づいて。


思わず、ドキッと心臓が大きく揺れる。